デジタル簡易無線を使用する際、懸念されるのは傍受のリスクです。傍受とは、本人の了承を得ずに通信内容を他者が知ることで、場合によっては法律違反で罰せられる可能性があります。

しかし、近年デジタル簡易無線は大規模なイベントをはじめとする幅広いシーンで使われていることから、傍受されにくい通信ツールという認識が一般的です。今回はデジタル簡易無線の傍受リスクについて、ほかの無線機と比較しながら詳しく解説します。

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デジタル簡易無線は傍受されにくい

結論として、デジタル簡易無線は傍受リスクが非常に少ない無線機です。デジタル方式での通信は、音声をデジタル信号に変換します。また、簡易業務用無線を使用すれば秘話モードの設定が可能です。

秘話モードと合わせてユーザーコードも任意設定すれば、他者による傍受を防げます。仮に周波数が特定されたとしても、すべてのコードを一致させるのは容易ではありません。音声として出力されることは不可能に近いです。

デジタル簡易無線であれば、傍受のリスクを最大限抑えられます。第三者に重要な通話内容が漏れてしまわないよう、高いセキュリティの機器選択が重要です。

自ら最適な無線機を選ぶ自信がない方は、プロに相談するのが最適です。ジャパンエニックスでは、ヒアリングをもとにおすすめのデジタル簡易無線をご紹介します。

デジタル簡易無線以外の傍受リスク

デジタル簡易無線のほかには、アナログ簡易無線機、特定小電力トランシーバー、デジタルMCA無線機、IP無線機といった無線機があります。デジタル簡易無線が傍受リスクを抑えられる理由は、デジタル信号によって音声を変換できる仕組みがあるからです。

当然、ほかの無線機はそれぞれ仕組みが異なっています。デジタル簡易無線と同じように、音声をデジタルに暗号化できる、あるいは暗号化に代わる機能が備わっていなければ、傍受を防止できるとは限りません。

デジタル簡易無線を使用するか検討している段階でも、各無線機の傍受リスクを知っておくことは良い判断材料となります。以下で、各無線機にはどれくらいの傍受リスクがあるのか詳しく解説します。

アナログ簡易無線機

アナログ簡易無線機は音声を暗号化することなく、そのまま電波にのせて通信する仕組みです。そのため、使用している周波数が特定されると第三者に傍受されるリスクがあります。

さらに、近い周波数帯や強い電波が近くにある場合に、混信しやすいのがアナログ簡易無線機の弱点です。混信とはほかの通信が混ざってしまうトラブルのことで、無線での快適なコミュニケーションを妨げます。音質に関しても、デジタルには劣ります。

そして、総務省からの発表により、2024年12月からアナログ簡易無線機が使用している350MHz帯、400MHz帯の電波は使用できなくなります。そのため、アナログ簡易無線機の使用者にとってデジタルへの移行は急務となっており、業務用簡易無線の主流はデジタル簡易無線機となります。

特定小電力トランシーバー

特定小電力トランシーバーは、422.2MHz〜422.3MHzや421.8MHz〜440.25MHzなど周波数帯が決まっており、使用する際に免許や登録がいりません。手軽に使用できる反面、周波数が一致すると違うメーカーでも傍受されるリスクが一気に高まります。

特定小電力トランシーバーに、あらかじめグループ機能が搭載されている機種を使用すれば傍受されるリスクを軽減できるものの、デジタル簡易無線のように膨大なパターンの組み合わせを設定することはできないため、同水準の秘匿性は維持できません。

他者による可能性があるほか、近隣エリアで同じ周波数帯を使って通信を行っている店舗やイベントなどとの混信が発生しやすくなります。

デジタルMCA無線機

デジタルMCA無線機は広い範囲での通信や複数人に一斉通信できる、同報機能をもつ無線機です。デジタル方式で、傍受されるリスクも徹底的に防止できます。

業務用として導入されていることが一般的で、全国に中継局をもち、専用の通信網があることも混線リスクを軽減しています。いつでもスムーズに通信できるのは、嬉しいメリットといえます。

ただし、デジタルMCA無線機は業務利用が前提とされ、比較的高価な無線機です。本体の端末費用でおよそ9万円、バッテリーや充電器などを含めた費用相場は、およそ20万円前後とされています。複数の場所に設置するとなると、費用面は使用者が考えるべき課題です。

※デジタルMCA(800MHz)サービスは2023年5月末で既に新規受付停止、2029年5月末にサービス終了

IP無線機

IP無線機は、携帯電話各社のIPネットワークを利用して通信を行う無線機です。音声をデジタルで暗号化し、識別番号であるIPアドレスを所持する機器同士で通信するので、傍受される心配はほぼありません。

ほかの無線機で起こりやすい近隣エリアでの無線機使用・同じ周波数帯による混信のリスクもなく、基本的には距離や障害物を問わず使用できます。高いセキュリティのもと、安心して通信が行える無線機のひとつです。

無線の傍受に関するQ&A

無線の傍受で通信内容が第三者に知られた際、傍受された内容によっては問題視されることがあります。とくに、社内の機密情報や個人情報などは大きなトラブルには発展しかねません。

たとえば、無線機を使用して行われている会議、イベントのバックヤードなど、法人として無線機を利用する場合、業務連絡の漏洩には注意が必要です。

デジタル簡易無線であれば傍受されるリスクはほぼありませんが、絶対に傍受されないとは断言できません。つまり、デジタル簡易無線を利用する場合でも、可能な限り傍受されるリスクを抑える必要があります。

重要なのは、傍受で得た情報の扱い方です。万が一の場合に備えて、傍受された際に起こりうるトラブルについても学んでおくことが大切です。

傍受は違法ではない?

無線の傍受は違法ではありません。一般的な傍受の目的は、無線の通信内容を聞くことです。受信をオープンにしていることもあり、知り得た情報を利用する意思がないとみなされるため、日本の電波法では傍受と盗聴を区別して定められています。

災害が起きたときに被害状況を把握する目的などでも無線の傍受が認められており、当然罪には問われません。

違法となるのは、傍受によって知り得た情報を利用した場合です。たとえば、第三者に通信内容を教えたり、誰かの不利益になるように情報を利用したりするのは盗聴とみなされ、罪に問われます。

傍受されるリスクを抑えるには?

傍受されるリスクを最小限で抑えたい場合、秘話モード機能が搭載されているデジタル簡易無線機の選択がおすすめです。秘話モードにはそれぞれ秘話コードと任意のユーザーコードによるふたつのセキュリティがあり、簡単に通信内容を守ることが可能です。

各セキュリティは、通信を行う無線機同士で設定します。秘話コードは5ケタ、ユーザーコードは3ケタのコードを設定し、同じチャンネルを使用する無線機と通信ができるようになる仕組みです。

秘話コードとユーザーコードは一緒に設定できるため、組み合わせて使用すれば傍受されるリスクをさらに軽減できます。

ジャパンエニックスでは、デジタル簡易無線機の販売・レンタルを行っています。使用用途や業種にあわせた的確な機種をご案内いたします。お見積もりも承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

デジタル簡易無線は、傍受されるリスクを最小限にとどめられる連絡ツールです。

ジャパンエニックスはお客様の目的に合わせた無線機選びから導入、利用までをトータルでお手伝いします。50年以上の実績・ノウハウをもとに、人数や使用頻度、現場の状況、予算などをふまえて販売・レンタルでの提案が可能です。

無線機のレンタル事業では業界屈指の保有台数を誇り、イベント運営や学園祭、観光業、建設現場、ブライダルなど、導入実績も豊富です。

弊社ホームページではオンライン相談のほか、無線機の無料デモテストも予約できます。カタログも送付できるため、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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