イベントの成功には、円滑な司会進行が欠かせません。そのためには、台本を見ずに話せるよう、内容を十分に把握しておく必要があります。内容を頭に入れておけば、タイムスケジュールのズレやトラブルが発生した際にも、適切に対応することが可能となるでしょう。

本記事では、イベントの司会進行に役立つ例文や、イベント成功のためのポイントについて詳しく紹介します。

何かご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

イベントの司会進行の例文

イベントの司会進行は、タイムスケジュールに則った進行が求められます。一般的には、開演前のアナウンスから始まり、開会のあいさつ、イベントの説明や紹介、参加者の紹介や休憩時間の案内があり、最後は閉会のあいさつで締めます。
タイムスケジュールごとに例文を紹介しますので、イベントの内容に合わせて活用してください。

会場案内と注意事項

開演前のアナウンスとして、会場案内およびイベントに関する注意事項を伝達することが求められます。そのため、アナウンスの作成前に、お手洗いの場所、会場内での飲食の可否、喫煙所の有無、非常口の位置、非常時の誘導方法などを確認する必要があります。

とくに、非常口の位置および非常時の誘導方法は、確実に把握しておくことが大切です。万が一の事態が発生した際には、司会担当者が非常口の案内や非常時の誘導を率先して行う場合があるためです。トラブルが発生した際には、冷静かつ適切な対応でアナウンスすることが極めて重要です。

また、会場によっては全館禁煙の場合があります。その際には、建物近隣で喫煙可能な場所があるかどうかを会場担当者に事前に確認し、その情報をアナウンスに含めることで、より親切な案内となるでしょう。
以下では、開演前のアナウンスの例文を紹介します。

「みなさま、本日はお忙しいなか○○(イベント名)にご来場いただき、ありがとうございます。

開会に先立ちまして、本日の会場のご案内とイベントについての注意事項をお伝えします。

お手洗いは、会場入口を出て左手奥にございます。自動販売機はエレベーター前ホールにございますが、会場内は飲食禁止となっておりますので、会場内での飲食はお控えください。

また、会場内は禁煙となっております。おタバコをお吸いになるお客様は、1階ロビーにあります喫煙所をご利用ください。

開催中はスマートフォン・携帯電話・アラーム時計など音の出る機器はマナーモードに設定し、音の出ない状態にしていただくようお願いいたします。

非常事態の際は係員が誘導いたしますので、落ち着いて行動くださいますようお願いいたします。

開始時刻は○時を予定しております。開始まで今しばらくお待ちください。」

開会のあいさつ

開会のあいさつは簡潔に済ませ、イベントの説明や紹介につなげます。イベントの開始を告げ、来場してくれたことへのお礼の言葉と簡単に司会担当者の自己紹介をしましょう。
以下では、開会のあいさつの例文を紹介します。

「みなさま、長らくお待たせいたしました。ただいまより○○(イベント名)を開催いたします。

本日はお忙しいなかご来場いただき、誠にありがとうございます。

わたくし、本日司会進行を務めます○○(担当者の名前や肩書)と申します。どうぞよろしくお願いいたします。」

イベントの説明や紹介

開会のあいさつが終わったら、イベント目的やテーマを伝えます。途中休憩を挟む場合は休憩時間を伝え、最後に終了予定時刻を伝えます。
以下では、イベントの説明や紹介の例文を紹介します。

「本日のイベントは○○(題材)をテーマに、○○(題材)への知識を深めるため、○○の第一人者であらせられる(参加者の名前)様による講演を行います。

途中15分間の休憩を挟みまして、後半も○○(参加者の名前)様の講演が続きます。最後はみなさまから○○(参加者の名前)様へ質問いただける時間を設けておりますので、○○(参加者の名前)様へ質問がある方はその時間にお願いいたします。
終了は○時を予定しております。それでは、本日はよろしくお願いいたします。」

参加者や登壇者の紹介

イベントの説明や紹介が終了した後、参加者や登壇者の紹介に移ります。この際、参加者の経歴や現在の主な活動内容を紹介することが求められます。期待を高めるため、具体的な企業名や大学名を用いて紹介することが望ましいでしょう。

また、紹介する際には、氏名、大学名、企業名、肩書きに誤りがないか、最新のプロフィールが反映されているかを必ず確認してください。

参加者の紹介が終わったタイミングで、参加者を呼び込むこととなります。そのため、参加者には事前に呼び込みの言葉を伝えておくと、進行がスムーズに進むでしょう。

以下では、参加者紹介の例文を紹介します。

「本日は、長年○○の研究をされている○○(参加者の名前)様にお越しいただきました。○○(参加者の名前)様は、○○の全世界シェア率ナンバーワンである○○(企業名)で、○○の研究をされていました。

2018年には○○賞を受賞、現在は○○(企業名)を退社し、ご自身で○○(現在の企業名)を設立され経営を行う傍ら、○○研究の第一人者として世界的に活躍されています。

本日○○(参加者の名前)様には、○○についてお話しいただきます。

それでは、ご登場いただきましょう。○○(参加者の名前)様です。みなさま、盛大な拍手でお迎えください。」

休憩時間の案内

休憩に入る際には、休憩開始のアナウンスを行い、休憩時間の長さおよび再開時刻を明確に伝達する必要があります。また、開演前に案内したトイレ、喫煙所、飲食に関する情報を改めてお知らせすることも重要です。

さらに、休憩終了の5分前には、終了時刻が近づいていることをアナウンスすることで、タイムスケジュールにそった進行がしやすくなるでしょう。

ここでは、休憩開始時の案内、休憩終了5分前の案内、休憩終了時の挨拶の例文をそれぞれ紹介いたしますので、参考にご活用ください。

例文:休憩開始時の案内

「ただいまより15分間の休憩に入ります。再開予定時刻は○時○分です。開始時刻の5分前に着席のアナウンスをさせていただきますので、順次お席にお戻りいただきますようお願い申し上げます。

お手洗いは会場を出られて左手奥にございます。自動販売機はエレベーターホールにございますが、会場内は飲食禁止です。会場のなかでの飲食はお控えください。

喫煙所は1階ロビーにございます。それでは再開までおくつろぎください。」

例文:休憩終了5分前の案内

「まもなく○○(イベント名)を再開いたします。ロビーにおいでのお客様は、お席にお戻りくださいますよう、お願い申し上げます。会場内は飲食禁止のため、会場内でのご飲食はお控えください。

すでにお席にお戻りのお客様は○時○分になりましたら再開いたしますので、今しばらくお待ちください。」

例文:休憩終了後、再開時のあいさつ

「大変長らくお待たせいたしました。これより再開いたします。それでは、あらためまして○○(参加者の名前)様にご登場いただきましょう。みなさま、いま一度大きな拍手でお迎えください。

閉会のあいさつ

閉会のあいさつはお客様への感謝を手短に言葉にします。アンケートがある場合は、その回収方法の案内と協力のお願いをすることが重要です。筆記用具を持っていない人のために、筆記用具を用意しておくのがおすすめです。

当日雨が降っていて、イベント中に雨が止んだ場合には、傘の忘れ物がないように伝え、締めの挨拶では「お足元の悪い中ご来場いただき」といった表現を使用するようにしましょう。

以下では、閉会のあいさつの例文を紹介します。

「以上をもちまして(イベント名)を終了いたします。本日はご参加いただきまして、誠にありがとうございました。

お配りしておりますアンケートに、本日の感想やご意見などをご記入いただきますようお願い申し上げます。筆記用具をお持ちでないお客様は、お気軽に係のものにお申し付けください。

アンケートは会場出口にアンケート回収箱を設置しておりますので、そちらに提出していただけると幸いです。

それではお足元に気をつけてお帰りくださいませ。」

イベントの司会進行を成功させるポイント

イベントの司会進行を成功させるには司会担当者の役割を理解し、ポイントを押さえておく必要があります。成功させるポイントについて、詳しくみていきましょう。

念入りにリハーサルを行う

イベントまでに最低でも1回、可能であれば複数回リハーサルを行いましょう。リハーサルは、本番と同様の流れで当日のシミュレーションを行うことを指します。

リハーサルを行うことで、イベント進行における不都合な点や疑問点が浮かび上がる場合があります。その際には、各部署のスタッフに必ず確認し、事前に解消しておくことが重要です。

さらに、利用する電子機器のトラブル対応、スケジュール通りに進行しなかった場合の調整、万が一の地震や火災発生時の避難誘導の人員配置と経路など、起こりうるトラブルを予測して準備しておくことが不可欠です。

台本や原稿を見ずに話せるように練習する

台本や原稿を見ながら話すと「いかにも何か読みながら話しているな」という印象を与えてしまいます。このため、興味や関心を把握するのが難しくなり、トラブルが発生しても気づきにくくなります。

司会者はイベントを円滑に進行させる重要な役割を果たします。司会者がお客様に好感を持たれない場合、進行内容や重要な注意事項が聞き流される可能性があるため、注意してください。

好感を持ってもらうためには、できるだけアイコンタクトを取りながら進行し、台本や原稿をできるだけ見ずに話すように努めることが重要です。

ただし、台本を丸暗記して話すこととは異なります。完全に覚えた内容を正確に伝えようとするあまり、不安で声が小さくなったり、つなぎ言葉が増えてしまうことがあります。その結果、興味を失わせる可能性もあるため、注意が必要です。

堂々とした姿勢で話す

堂々とした姿勢で話すことは、司会を円滑に進行させるために極めて重要です。背筋を伸ばし、後ろの参加者にも聞こえるように、はっきりと大きな声で進行しましょう。

堂々とした姿勢とは、背筋をまっすぐにして胸を張り、あごを少し引き、体の中心に重心を置くことを指します。背中が丸まったり、あごが前に出ていると、声の通りが悪く、頼りない印象を与えかねません。

堂々とした姿勢を保つことで、声がよく通り、安心感を与えることができます。

緩急をつけて話す

淡々とした同一の調子で話すと、参加者の注意が逸れる恐れがあります。大事なところを強調して声を少し大きくしたり、声のトーンを上げたりすると印象に残りやすくなります。必要に応じて、身振り手振りを交えて話すのもおすすめです。

話の途中で適度な間をとったり、スピードに変化をつけることで、関心を引きつけやすくなります。

ただし、あまりに演出を過剰にすると、参加者に不自然な印象を与え、イベントの内容に集中してもらえないおそれがあります。バランスを考慮し、適度な演出を心掛けましょう。

お客様をしっかり見る

お客様を注意深く観察しながら進行することは、司会者として非常に重要です。しっかり見ていれば、関心や集中度を把握することができます。

関心が途切れているように感じた場合は、そのタイミングで質問して答えてもらったり手を挙げてもらったり、柔軟に対応して集中を戻すよう努めましょう。

また、お客様をしっかり見て、アイコンタクトを取ることで司会者に対して好意を抱く可能性が高まります。好意を得ることで、イベントの進行が円滑になることが期待できます。

タイムスケジュールのズレを調整する

タイムスケジュールより時間が早まったり遅れたり、ズレが生じることはよくあります。台本を作成する際には、各項目に対する予定時間を明確に記載し、イベントが進行するにつれて実際の時間を記録し、ズレを都度確認することが重要です。

時間に余裕がある場合は、質疑応答の時間を長めに設定したり、休憩時間を延長したりするなどして調整します。一方で、時間が迫っている場合は、質疑応答時間を短縮するなどの調整を行います。

ただし、時間が迫っているからといって休憩時間を削減したり、完全に省略することは避けるべきです。これにより、お客様の準備時間が不足し、集中力も低下する可能性があります。

時間に余裕を持ったタイムスケジュールを作成することで、調整がしやすくなるため、事前に考慮しておくことが重要です。

イベント運営には無線機がおすすめ

進行をスムーズに行うために、イベント運営には無線機の利用がおすすめです。

会場が大きな場合は、動員数が多く、スタッフの人数も多くなります。会場が広く、スタッフの数も多くなると、スタッフ同士が直接連携を取ることは難しくなるでしょう。無線機があれば、遠くにいるスタッフとも連携が取れるようになります。

また、無線機があれば1度で全員に指示することも可能なため、伝言しているうちに間違った内容が伝わるといったことが起こりません。

しかし、無線機にはメリットだけでなくデメリットもあります。無線機をイベントで使うメリットとデメリットをよく理解したうえで、無線機の使用をご検討ください。

無線機のメリット

イベントでのスタッフ同士の連絡に、携帯電話を利用している企業も少なくありません。しかし、携帯電話の使用には、通信料や通話料がかかってしまいます。その点、無線機なら通信料や通話料がかからず利用可能です。

近年では通話料がかからない通話アプリもありますが、使用には通信料がかかってしまいます。また、スタッフ全員が同じアプリをダウンロードする必要があります。企業によっては、社用携帯がなくスタッフの個人携帯を使用することもあるでしょう。

その場合、通信料、アプリのダウンロードなどスタッフへの負担が大きくなります。さらに、個人携帯を使用する場合、イベント中にスタッフの携帯電話に関係のない連絡が入ってきて、進行の妨げになってしまう可能性も考えられます。

また、携帯電話は基本的に1対1での通話です。しかし、無線機は1人の送話者が複数の受話者に向けて音声が送れるため、1度でスタッフ全員に同じ情報を共有できるというメリットもあります。

携帯電話で連絡を取り合うと、来場者の声に邪魔されて指示が聞き取りにくい場合もあります。しかし、無線機は騒音下やマスク越しでも聞き取りやすい機能を搭載した機種もあり、携帯電話に比べて聞き間違いをしにくい点も大きなメリットです。

無線機のデメリット

無線機のデメリットは、混信によって関係者以外に傍受される可能性があることです。それを避けるためには、秘匿性が高い無線機を使いましょう。

そして、無線機には通信距離に制限があります。無線機によって通信距離は変わりますが、特定小電力トランシーバーで200m以下、デジタル無線機で1〜5kmです。

通信距離以上の離れた場所で無線機を使いたい場合は、IP無線機を利用しなければいけませんが、IP無線機は携帯電話の通信エリアを利用するため通信量がかかります。

デジタル無線機には登録局か免許局があり、総務省への申請が必要ですが、特定小電力トランシーバーとIP無線機は申請の必要がありません。

それぞれの無線機によって使いやすい状況や通信距離、必要な予算がことなるため、使う状況や予算によって使い分けましょう。

イベントにおける無線機の活用例

以下では、さまざまなイベントでの無線機の活用方法について紹介します。

ライブイベント

ライブイベントといっても、収容人数が数百人の会場から、4,000人以上を超えるホールやアリーナなど規模はさまざまです。スタッフの持ち場によって行う作業は異なりますが、進行にズレがないか、ステージ上や客席でトラブルが起きていないかなどスタッフ同士の連携は必須です。

会場規模によっては、スタッフ同士が数百メートル離れることもあるため、無線機が活用されています。無線機なら離れた場所にいるスタッフにもすぐ連絡ができ、音楽や歓声など周囲の音が大きくても音声がクリアで伝えやすく、聞き取りやすいです。

また、ボタン一つで全員一斉に伝えられる為、お客様の誘導や撤収作業をスムーズに行う事が可能です。

野外イベント

野外のイベントでは、会場が広くスタッフ間の距離も遠くなることが多いため、会場の設営やお客様の誘導、照明や音響の調整、進行状況の共有などに無線機が活用されています。夏場の野外では熱中症で人が倒れるといったトラブルが起こる可能性もありますが、無線機があればトラブルにも即座に対応できます。

会場の設営や誘導を行うスタッフは、両手が常に使える状態にしておく必要があるため、無線機にヘッドセットやイヤホンマイクを付属させ、頭部に装着させるなど工夫が必要です。

企業イベント

展示会や創立パーティーなどの企業イベントでは、会場の外の呼び込みスタッフと運営スタッフ、ホール内のレセプションスタッフに同時に連絡を取るために無線機が活用されています。

企業イベントでは、トラブルが発生時の対処の仕方によって企業イメージを損なう可能性があるため、迅速な対処が求められます。無線機を活用すれば、トラブルが発生しても即座にスタッフ間で連携を取り合って素早く対処できるため、お客様に安心して楽しんでもらえるでしょう。

まとめ

イベントの司会進行を成功させるためには、念入りなリハーサルや、台本を見ずにお客様の顔を見ながら話せるように練習しておくことが大切です。

また、イベントを成功させるうえでは、司会担当者とスタッフとの連携も重要なため、無線機を活用してトラブルが起こったときにすぐにイベント関係者間で情報共有できるようにしておくのがおすすめです。

株式会社ジャパンエニックスでは、お客様のニーズに合わせた機能やコストの無線機を販売・レンタルしております。無料デモテストも可能ですので、イベントで無線機を利用したい方は、ぜひ一度ご相談ください。

お問い合わせはこちら