業務中に円滑なコミュニケーションを取れる小型インカムは、野外イベントやレジャー、飲食店などさまざまな場面で役立つ通信手段です。ポケットに入るサイズで、携帯性に優れています。

この記事では、小型のトランシーバー・インカムの特徴や利用用途、特定小電力トランシーバーとの違いを解説します。記事の後半では、メーカー別におすすめの小型インカムを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

何かご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

小型のトランシーバー・インカムの特徴

小型のトランシーバー・インカムは、PTT方式(プッシュ・トゥ・トーク)を採用しており、ボタンを押している間は通話できる仕組みになっています。1対1、1対多数どちらへの連絡にも対応しています。

インカムの場合は、マイク付きイヤホンを使用すると両手が空くので、作業しながらの通話が可能です。

ここでは、メリットやデメリット、主な利用用途を紹介するので、トランシーバー・インカムの購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

メリット

小型インカムの最大のメリットは、作業しながら音声通信できる点です。飲食店や工場など、作業で忙しく手が離せないシーンでコミュニケーションが取れます。

通常のトランシーバーの場合は、口元に本体を近付ける必要がありますが、小型インカムであればいち早く指示・連絡できます。

インカム同士で通信を行うため、回線の混雑に左右されません。緊急時の連絡がしやすい点は大きなメリットです。また、インカム同士の周波数(チャンネル)を合わせるだけで通信できるため、初心者でも簡単に使えます。

デメリット

小型インカムは携帯性に優れる反面、電池容量が少ないので常にバッテリーを充電しておかなければなりません。遮蔽物があったり、通信距離があまりにも長かったりすると、通信が途切れてしまいます。

小型インカムは複数個同時に利用することが多く、適切な管理を行わないと紛失・置き忘れといった問題点もあります。

主な利用用途

小型インカムは以下のような用途で使われます。

・野外イベント
・ホテル
・レストラン
・レジャー(スキー、スノーボード、ツーリングなど)
・コールセンター

小型インカムは利用用途が多く、ビジネスシーン、プライベートどちらでも活躍する通信手段です。作業しながら簡単・即座にコミュニケーションを取れるというのは、業務効率化に欠かせない要素です。

1日数百件以上の電話を受け付けるコールセンターでは、インカムを利用することで、受話器を取る必要がないため、空いた手でデータ入力作業などができます。

また、スキーやツーリングといった、仲間内との会話が難しいレジャーでも、小型インカムを使えば気軽に会話が楽しめます。

「特定小電力トランシーバー」を例とした比較

小型インカムは、簡易業務用無線機か特定小電力トランシーバーにイヤホン・マイクをつなげて利用するため、違いを明確にしておきましょう。

ここでは、通信距離、バッテリー、重量、費用・価格相場の違いを解説します。

通信距離の違い

簡易業務用無線機特定小電力トランシーバー
1~10km約200m

簡易業務用無線機と特定小電力トランシーバーでは、通信可能な距離が大きく異なるため、利用用途によって選ぶのがおすすめです。

簡易業務用無線機は広大なエリアに対応しており、大きなイベント会場やゲレンデなどで多く使われます。ただし、購入する際は免許が必要なので、免許を持っていない場合はレンタルのみの使用に限られます。

一方、特定小電力トランシーバーは通信可能距離が200mほどと、簡易業務用無線機と比べると短めです。スキーやツーリングなど、仲間内とレジャーで楽しむ際は、あまり距離が離れてしまうとつながらなくなります。

レストランやホテル、コールセンターといった狭いエリアでの通信が想定される場合は、特定小電力トランシーバーの方がおすすめです。特定小電力トランシーバーは、購入・レンタルいずれの場合も免許は必要ありません。

バッテリーの違い

簡易業務用無線機特定小電力トランシーバー
約12時間約20〜36時間

バッテリーの持続時間で比較すると、特定小電力トランシーバーの方が長く使えます。簡易業務用無線機のバッテリーは約12時間(半日)なので、朝から晩まで稼働を続ける野外イベントなどでは充電が持たないかもしれません。

使用可能時間に余裕を持たせたい場合や、丸1日連続して使いたい場合は、20~36時間ほど持続する特定小電力トランシーバーがおすすめです。

また、機種によってはリチウムイオン電池ではなく乾電池で動くものもあり、予備の電源を持ち運べるタイプもあります。

重量の違い

簡易業務用無線機特定小電力トランシーバー
250~400g60~185g

重量に関しては、そこまで大きな違いはありませんが、持ち歩く時間が長いほど重量が軽い方が体への負担は少ないです。簡易業務用無線機は最大400g、特定小電力トランシーバーは最も軽いもので60gと、6倍の差があります。

野外の現場で作業する際は、可能な限り荷物を少なくしたいものです。小型インカムとして毎日使い続けるのであれば、重量が軽い特定小電力トランシーバーを選ぶのがおすすめです。

費用・価格相場の違い

簡易業務用無線機特定小電力トランシーバー
約6万円/1台約2万円/1台

簡易業務用無線機と特定小電力トランシーバーの価格相場を比較すると、3倍の差があります。初期費用で比較すると、特定小電力トランシーバーの方が安上がりです。

小型インカムを10台用意する場合、簡易業務用無線機は60万円かかるのに対し、特定小電力トランシーバーは20万円で済みます。

試しに小型インカムを導入しようと検討している場合、半分以下の価格で購入できる特定小電力トランシーバーの方がおすすめです。

メーカー別小型インカムを紹介!

ここではメーカー別に5つの小型インカムを紹介します。

ケンウッド:UBZ-M31E

ケンウッド:UBZ-M31Eは、110gと軽量でありながら、29時間の運用ができる特定小電力トランシーバーです。交通機関や教育機関、病院、ホテル等で導入実績のある空気触媒セルフィールを採用しており、抗菌・抗ウイルス性に優れています。

スマートなデザインが特徴的で、服装を選ばず馴染みやすいブラック、パーティー等の華やかなシーンに最適なゴールド、目立つ色を選びたい時のイエローの3色から選択可能です。

飲食店や小売店など、バックヤードをまたぐ連絡に優れており、イヤホンをせずとも外部スピーカーに接続して指示を出せるほか、オーダーの確認、人数確認といった、確認作業を手軽に行える点もメリットです。

モトローラ:CL08

モトローラ:CL08は、120gの軽量な重量で33時間の連続使用を実現した特定小電力トランシーバーです。目立ちにくいデザインをしており、介護やレストラン、ブライダル、ホテルといったシーンに向いています。離れた位置でも通信できる中継機能が特徴的です。

導入実績としては、携帯電話ショップが多く、数千台を誇っています。1対多数への通信を即座に行えるため、素早く全員へ情報共有できる点が優秀です。特定のトランシーバーだけを呼び出すセレコール機能や、音声に反応して送受信を自動で切り替えるVOX機能が役立ちます。

ベルトクリップや充電器が付属しており、買ってすぐに使えるオールインワンパッケージが約1万円で購入できるため、導入しやすい小型インカムです。

アイコム:IC-4310

アイコム:IC-4310はアパレル、レストランといった接客業・小売業に最適な特定小電力トランシーバーです。117gと軽量で24時間運用できます。

制服に合わせてブラック、レッド、ホワイトの3色から選べます。防塵性能は最高、防水性能は上から2番目と、屋外でも使いやすい小型インカムです。付属するベルトクリップを利用することで、激しい動きをしても外れにくくなります。

録音再生機能によって聞き逃しを防ぎ、VOX機能によって、ボタン操作不要で声に合わせて送受信を切り替えられる点も優秀です。セルフィール加工による抗菌・抗ウイルス性を兼ね備えており、1日数百人~数千人を相手にする接客業でも安心して使えます。

アルインコ:DJ-PX5

アルインコ:DJ-PX5は、50gと非常に軽量ながら25時間の運用が可能な特定小電力トランシーバーです。ブラック、シルバー、スカイブルー、ピンクとさまざまなシーンで使える4色のバリエーションが用意されています。目立たずケーブルが短く、取り回しに優れているため、小売業で使われています。

50gという重量と音声を受信する際にストレスとなるノイズをカットするテールノイズ・キャンセラーを搭載していることから、従業員の負担を軽減可能です。操作ボタンは電源ボタンと音量ボリュームのみとシンプルな設計で、使いやすさも特徴的です。

また、イヤホンが断線した場合に、検知して赤と緑のLEDを点滅させる機能が、従業員の安全性を高めます。

スタンダードホライゾン:SRS220SA

スタンダードホライゾン:SRS220SAは、特定小電力トランシーバーでは珍しいBluetoothを搭載した小型インカムです。イヤホンのケーブルがいらないので、引っかかりが起こりません。収納時にケーブルが絡まることもありません。

89gという軽さと33時間の運用時間を両立させた小型インカムで、防塵・防水性能はともに最高レベルのIP68です。あらゆる環境での使用に耐えられます。Bluetoothのヘッドセットは20時間の連続運用が可能なため、電池残量を気にせず継続して作業ができます。

テールノイズカットやサブチャンネルセレクト機能、マルチチャンネル待ち受け機能といった使用者のストレスを軽減する仕組みも特徴的です。

まとめ

小型インカム・トランシーバーは、作業しながらのコミュニケーションに優れた通信手段です。野外イベント、ホテル、レストラン、レジャー、コールセンターとさまざまな場面で利用されています。

フロアの違う場所や扉で遮られた場所、別棟など、さまざまな直接指示を出すには不便な位置にいる相手と、素早くコミュニケーションを取れます。インカム同士で通信を行うため、混信の心配はありません。

デザインに力を入れたモデルや、ノイズカット、Bluetooth機能を付けたものなどメーカーごとに、特色のある特定小電力トランシーバーを展開しているため、小型インカムの購入を検討している方は、ぜひ用途に合ったものを探してみてください。

無線機の導入を検討している方は、ジャパンエニックスまでお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら