近年業務用インカムは、建設現場やイベント会場、収録現場などさまざまなシーンに導入され活用されています。

ボタンひとつで通信することができ、作業の円滑・効率化にも大きく貢献してくれる業務用インカムですが、利用するメリットや種類について、ご不明の方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、業務用インカム導入のメリットを解説し、種類や選び方、を紹介します。ぜひ、参考にしてみてください。

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業務用インカム導入のメリット

業務用インカムを導入することで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。ここでは、具体的なメリットを4つ取り上げて解説します。

メリット1:複数人と同時に通信できる

業務用インカムを導入する最大のメリットは、1対複数人が同時に通信できるという点です。インカムはもともと有線で親機と複数の子機をつなぐ「インターカムシステム」を略した言葉で、双方向通信が可能という特徴があります。そのため、インカムを使用すれば作業を中断せずに、複数の人と連携可能です。

とくに、広い居酒屋や結婚式場のような場所では、業務用インカムの導入によって効率が飛躍的に向上するでしょう。ボタンをひとつ押すだけで、スムーズに伝達できるため、接客業務において迅速・的確な対応が可能となります。

メリット2:音声が聞き取りやすい、回線の混雑がない

音声が聞き取りやすいというのも、大きなメリットといえるでしょう。業務用インカムでは、電話回線を使用しません。そのため、電話回線の制約に左右されず、スムーズな通信が可能で、混雑した状況や緊急事態でも問題なく利用できます。

とくに、イベント会場などでは大音量種類の音楽が流れ、人の出入りが激しいです。使用環境に応じたイヤホンを使用すれば、このような環境下でも周囲の騒音に左右されずに指示や情報を明瞭に聞き取れるため、ミスを防いで業務の効率化が図れるでしょう。

また、会場でのお客さまの誘導や対応を行う場合は、ハンズフリーでの音声通信が不可欠です。Bluetoothに対応した業務用インカムの使用により、スタッフは両手を使って業務に集中できます。

メリット3:操作がシンプルで分かりやすい

業務用インカムは、音声の送受信機能に特化しているため、基本的にボタンをひとつ押すだけで音声通信が可能です。操作がシンプルで分かりやすいという点もメリットといえるでしょう。

メリット4:耐久性が優れている

多くの業務用インカムはハードな環境での業務に特化して設計されており、耐久性に優れています。さらに一部の無線機は、防水性や防塵性能が高く、水没したり砂やほこりが入ったりしても問題なく通信可能です。

とくに、建設現場やイベント会場といった野外の厳しい環境下での業務に従事する場合でも、優れた耐久性を持つ業務用インカムを使用すれば、安定した通信が確保できます。

業務用インカムの種類

業務用インカムの種類にはどのようなものがあるのか、解説します。

業務用インカムには、主に「IP無線機・LTE無線機」「簡易業務用無線機」「特定小電力トランシーバー」の3種類があり、出力や通信範囲、大きさなどが異なります。それぞれの特徴は下記のとおりです。

IP無線機・LTE無線機

IP無線機・LTE無線機は携帯電話の通信網を利用した無線機で、広範囲で通信できるのが特徴です。携帯電話の電波が入る場所であれば、北海道から沖縄までどこでも会話ができます。

そのため、5kmを超える広い範囲で連絡を取り合いたい場合や大がかりなイベントを行う場合などに向いています。IP無線機・LTE無線機は利用するのに資格や免許が不要な点もメリットのひとつです。一方で、携帯電話回線の通信料が発生してしまう点には注意が必要です。

簡易業務用無線機

簡易業務用無線機は出力が大きく、広範囲での使用が可能です。最大5kmの通信範囲をカバーし、屋内や屋外などの環境に制約されずに利用できるのが特徴といえるでしょう。遮蔽物の影響は少なく、大規模な施設の警備管理や屋内外のイベント運営などで使われるケースが多いです。

簡易業務用無線機の利用に資格は不要ですが、免許か登録の申請が必要となり、5年ごとに更新しなくてはなりません。

また、一般的な特定小電力トランシーバーよりもやや大きなサイズのため、その分携帯性に欠け、長時間の使用には向いていません。長時間使用する場合は、ほかの無線機を利用することをおすすめします。

特定小電力トランシーバー

特定小電力トランシーバーは資格や免許が不要で、小型で持ち運びにも適していることから、女性にも人気の高い種類です。

リーズナブルに購入でき、維持コストもほとんどかかりません。また出力が低いため、バッテリーの消費も少なく長持ちします。ただし、最大500mほどの距離でしか通信ができず、障害物にも弱いのがデメリットです。

屋外の広い場所で使うよりも小規模な飲食店やパチンコ店、屋内の施設などで利用するのに向いているといえるでしょう。

業務用インカムの選び方

次に業務用インカムの選び方について紹介します。選ぶ際は「通信可能距離」「通信方式」「コスト」「利用シーン」の4つの基準を押さえておくことが重要です。それぞれの基準を詳しく解説します。

選ぶ基準1:通信可能距離

業務用インカムは通信できる距離が種類によって異なります。特定小電力トランシーバーは500m(2階建て相当)まで、簡易業務用無線機は5km(30階建て相当)まで、IP無線機・LTE無線機は、携帯電話の電波が届く範囲なら、日本国内どこでも通信が可能です。

また、機器によって遮蔽物の影響の大小も変わります。使用する空間の広さや利用者同士の距離感なども想定し、目的に合った業務用インカムを選ぶことが大切です。

選ぶ基準2:通信方式

業務用インカムは、通信方式を基準にして選んでもよいでしょう。通信方式としては主に「1人と複数人で通信する方式」と「複数人同時に通信する方式」の2つのタイプがあります。

前者の場合、1人が話している間は、ほかの人たちは話すことができませんが、後者の場合、1人が話していても誰でも割り込んで話せるため、用途に合わせた選択が重要です。

選ぶ基準3:コスト

かかるコストに応じて業務用インカムを選ぶ方法もあります。一般的に通信可能距離が長く、高性能なものほど高価になる傾向があります。

そのほかにも、簡易業務用無線機は免許の取得・登録にコストがかかり、IP無線機・LTE無線機は、携帯電話回線の通信料としてランニングコストが発生するため、注意する必要があるでしょう。

特定小電力トランシーバーの相場は約1〜3万円で、比較的安価で購入が可能です。また、簡易業務用無線機の相場は約5~10万円で、IP無線機・LTE無線機の相場は約6〜12万円と、もっとも高価になります。

そのほか、同時通話が可能な「クロスバンド方式」の特定小電力トランシーバーやIP無線機は、通常方式のものより高価になるケースがほとんどです。種類だけでなく性能によっても価格に差が出るため、必要に応じたものを選ぶとよいでしょう。

選ぶ基準4:利用シーン

利用するシーンに合わせた選択方法もおすすめです。業務用インカムの種類には、利用する業種や用途に応じて向き不向きがあります。

たとえば、小規模の飲食店やパチンコ店の場合、資格や免許が不要でコストもかからない「特定小電力トランシーバー」が、イベント会場など通信距離が長く、遮蔽物が多くあるような環境下で利用する場合は「簡易業務用無線機」が最適です。

マラソン大会や駅伝など広範囲での通信が必要な場合は、全国どこでも通信可能である「IP無線機」などが向いているでしょう。

また、建設業など屋外で業務用インカムを使用する業種であれば、防水や防塵が施されたものでなければ雨風を防げません。最悪の場合、故障するおそれもあるため防水・防塵機能にはこだわる必要があります。このように、業種や用途に合わせて、適切な無線機を選ぶことが大切です。

業務用トランシーバーとの違い

無線機選びのなかで、業務用インカムと業務用トランシーバーの違いに疑問を持たれたことはありませんか。両者は、どちらも「業務用無線機」のことを指しています。

「無線機」という言葉が言いにくいことから、各業界によって「インカム」や「トランシーバー」「シーバー」といった、言いやすい言葉で呼ばれるようになりました。

従来「内線で使用されるヘッドセット付きのトランシーバー」のことをインカムと呼ぶケースが多かったものの、幅広くさまざまな用途で無線機を使用するようになったため、違いがなくなってきたともいえるでしょう。

まとめ

業務用インカムは現在さまざまな現場で活用されており、業務への導入を検討している方も多いのではないでしょうか。

業務用インカムには複数人と同時に通信できる、音声が聞き取りやすい、操作がシンプルで分かりやすい、耐久性が優れているといったメリットがあります。

また「IP無線機・LTE無線機」「簡易業務用無線機」「特定小電力トランシーバー」の3種類があり、それぞれ出力や通信可能範囲、資格の有無などが異なるため特徴を把握しておくことが重要です。

どの種類にすればよいか迷った場合は通信可能距離や通信方式、コスト、利用シーンの4つの基準から選ぶことをおすすめします。業種や用途に合わせて最適なものを選択しましょう。

弊社では今回紹介した業務用インカムなど、各種無線機を取り扱っています。弊社HPからは通信距離や業種・用途はもちろん、メーカーからでも選ぶことが可能です。また、販売だけでなくレンタルも行っておりますので、お気軽にご相談ください。

ぜひ、今回の記事を参考に、最適な業務用インカムの導入を検討してみてください。

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